<イタリアB級ワイン紀行>

 

ALITALIA AIR

 

ばりばりの仕事人間

ロンドンのヒースロー空港からローマFIUMICINO空港に向かうアリタリア航空の中型旅客機に乗り換えた。
(日本人はレオナルド・ダ・ビンチ空港と言うが、イタリア人はヒュミチィーノと呼ぶ)
指定座席に行くと、通路側には黒いダブルのスーツを着たシチリアのマフィア風のビジネスマンが座っている。
(ここからは英語)

Editor 「ちょっと失礼します」娘を先に窓際の席に座らせる

IBM 「伊・伊・伊・伊」といって大きな身体で席を立って通路に

Editor 「あっ、すみません!」といって荷物を2つ上の棚に置こうとしたら1つ手伝ってくれ
て 思わずにっこりして「グラッツエ」とイタリア語でお礼を言って僕も真ん中の席に座り込んだ

IBM 「プレーゴ」と言って席に戻ると手帳やメモを整理し始める

これは困ったな、イタリア語は挨拶しか覚えて来ていないし仕事人間が横に来て、かた苦しくなりそうだと
横を見ると窓際のMaikoは日本時間では夜中の3時過ぎで疲れ切った様子で寝ることを決め込んでいる。

アリタリアの男性客室乗務員が2〜3人で手分けしてイヤホーンとブランケットを希望者にだけ配り歩いて
いるので僕は手で合図して「グラッツエ」と言って各一つだけ受け取る。そして忙しそうにメモをするIBMを
横に見ながらアリタリアの機内誌でフェラーリのシャンパンの広告ページとヒースローから持ってきた英字
新聞でローマのウェザーレポート欄の最高気温と最低気温の記事を、何気なく見て時間をつぶしていた。

機内食が来た!

現地時間では夜8時を回った頃アリタリアの機内食がJALよりこじんまりと飲み物と一緒に運ばれてきた。
横にいる娘を起こして食事がきたことを教えワイン飲もうと促したが、寒いので温かいものを飲みたいと言う。
僕はワインの頼み方しか知らないぜ!英語で通じるかなあ?とまず自分の赤ワインをイタリア語で頼んだ。

「ヴィノ・ロッソ ペルファボーレ」

イタリア語で元気良くオーダーすると初めて見るフリウリ州の赤い1/4ボトルをくれた。次にかしこまって英語で

Editor 「隣の娘は何か暖かい飲み物が欲しいのですが!」と訊ねてみた。

Alitalia 「今、ワゴンに積んでいないのでコーヒーか紅茶でしたら後でお持ちしましょう!」

と面長のマリオがMaikoに笑顔で微笑を送ってきた。

Editor 「どっちにする?自分で頼みなさい」

Maiko 「紅茶頼んで!」

とせっかくの英語を話す機会を与えたのに、彼女はお父さんに全部面倒見させるのでした。やれやれ!

マフィアの手が


ここから話が巻頭に記述した隣席のマフィアが実はちゃんとしたIBMのエグゼクティブであることが判明するのだ。
食事中は起きていてこちらのやり取りを聞いていたMaikoに話す機会を与えようとしたが、最初が肝心、彼女は結局初めての長時間のフライトで疲れてしまったようだった。
 もう大人の男同士で好きなことを話そうと思うと気楽になり、仕事のこと、車やバイクのことを相互に質問しながらマフィアのおかげで、退屈になりがちな機内がありがたいことに楽しい時間に変わったのである。
 IBMのエグゼクティブはさすがにジェットセッターで西ヨーロッパの拠点統括をしているだけあってワインの知識も豊富で機内誌のイタリア地図を見ながら、このワインがイタリア20州の中で一番北東の地域の産出であることを教えてくれた。日本でも隣のベネット州SOAVEは有名だがフリウリ州のLa CANTINETTAのことはあまり知られていなかった。
この地方のワインは北に近いのでフルーティで酸味を強く感じるが、そこそこボディがあり、バランスが良く飲みやすかった。品種のセパージュは珍しくラベルに記載されMerlot種が使われていた。

僕の好きなトスカーナの「Brunello Di Montalcino」を代表とするDOCGのワインの話、ローマからフィレンツエへ向かう途中にある丘の上の城壁の街で作られているオリヴィエートなど興味深い話は尽きなかった。最初、イタリア語しか話さなかったIBMがやはり公用語の英語を話す事ができるのは、国際企業勤めることを考えるとに当然であろうが、イタリア語はイタリアとイタリアの植民地でしか話されない言葉と聞き、「自分が日本語を話せないのと同じように、貴方がイタリア語を話せなくても無理がないのだ」と慰めてくれたのがありがたかった。

(写真は僕が記念にラベルを写したいとカメラを出したときに写しやすいように支えてくれたマフィアの手)
彼はアリタリアの常連客で、同じワインを1本、僕のために持ってこさせてくれた。
ティレニア海から夜景のきれいなローマの街のFIUMICINO空港にアリタリアAZ209が降り立ったとき

IBM 「山田さん ローマへようこそ!」とマフィアが明るく叫んだ!

Editorr 「ありがとう!ローマをそしてイタリアを楽しんできます

 

このワインは帰国後僕の部屋に呼んだ友達と試飲してビンを開けた。