ナポリの街角で青いヴェスパと筆者
「F1グランプリ第14戦」 がイタリアのモンツアサーキットで開かれ、名門 赤いフェラーリが1位と3位でゴール 、シューマッハがトップポイントを守りきった。今回は日本のブリジストンタイヤもフェラーリの優勝に一役買って貢献できたことはうれしい限りである。
イタリアは日本の国土面積の約80%、南北に長い地形やべスビオ火山やエトナ火山と日本の桜島・有珠山等の噴火や地震の多い点も地形的構造が似ていて共通点も多い。(例外的にイタリアの国の中にはバチカン市国とサンマリノ共和国という小さな独立国が2つ存在する)
背丈も日本人とあまり変わらず、黒い瞳や黒い髪の人も多い。女性の服装は一般的にチープシックで、セニョリータは地味な色をセンス良く着こなしている。 そしてワインの生産量は世界一。リストランテのギャルソン(黒服)は若い人もいるが、私と同世代の50代の男性もあらゆる場所で働いていた。
でも日本と明らかに違う点は、ラテン系の明るい生活態度だったと思う。人と人との挨拶や会話が積極的に弾む。飲んで食べて、歌って、恋をし人生を謳歌する点は私たちも是非見習いたい。
往路アリタリア航空209便で隣り合わせたイタリアのビジネスマンはアウディA4とHONDAの600CCバイクを所有するIBMのエグゼクティブだった。
彼と機内でワインを飲みながら、自動車やスクーターとイタリアのワイン産地、IBMのパソコンの話題で盛り上がった。
ジェットセッターの彼はアリタリアの男性キャビンアテンダントと顔なじみで、こちらのジャポネはワインが好きだからとアリタリアの指定ワインのフリウリ州の赤「La
Cantinetta」を、レオナルド゙・ダヴィンチ空港に降りる間際にもう一本、お土産に持たせてくれて「Mr.Yamada Welcome
to Rome!」と明るい声を上げた。
この国の街に9日間滞在した自動車文化の印象は。先に話題にしたフェラーリやマセラティ、ランボルギーニの非日常スポーツカーの世界は別にして、古代ローマ時代の歴史を大切にした静かなたたずまいの街の中を走る、小さくて活発なヨーロッパ連合(ユーロ圏)の小型車たちと、老若男女問わず日常の足で自転車代わりに使われる多くのスクーターやバイクの群れの多さだった。
街角には必ず広場とロータリーがあって、小さな車とスクーターが共存しながらスピーディーに秩序正しく交通が流れていく。車のナンバーには左側に国籍、右側には住んでいる町の名前が明記されその車がEC圏内のどこの国のどの都市の車かがすぐ識別できる。路上には縦列駐車(有料で許可)の車がカラフルに並ぶ。日本のパーキングメーターのチケットのような紙片がダッシュボードに置かれている。
(この辺の事情は筆者の友人で もとNAVI編集部の松本葉氏の著書「愛しのティーナ」二玄社刊に詳しく記載)
高速道路は日本同様に3車線、右側がトラック、真ん中がバスと遅く走る車、左側が速く走りたい車と、明確で車の性能差は暗黙の了解の下、活発に流れている。都心部は東京の首都高速のごとくビルの合間を縦横に、郊外に出ると、日本と違ってガードレールのフェンスがとても低く、景色を楽しみながら運転が出来る。週末は原則的にトラックは走行禁止とのことで乗用車が気持ちよく走れ(例外として事前に許可を受けたトラックは走行可能)。週日は産業用トラックが都市間を往復、ローマ、ミラノ周辺はウイークデイの通勤ラッシュ時には日本同様かなり渋滞する。
高速道路が料金所であまり渋滞しないのはTelepassと呼ばれる日本でまだあまり普及していないETCシステムを積極的に採用しているからで、通過する自動車は、ほとんどがこの料金所を少し速度を落としただけでスムースにパスしてゆく。
写真はナポリの街角でツアーバスの運転手トニーさんと筆者の好きなブルーのベスパを交えて撮影。トニーさんの高速道路でのエキサイトした走りは立派だった。直線では静かに、コーナーでは積極的なアクセルワーク、そして瞬時の追い越し加速のテクニックの上手さに思わず唸った。 イタリアの人たちは本当に車の運転が好きで、出来るだけ早く走りたい人がいっぱいいるような気がする。
滞在中のホテルで読んだ地元の新聞の広告をスクラップして日本に持ち帰った。欧州の小型車フィアット・ルノー・
アルファロメオ・ VW・韓国の大宇、そして 日本から輸出されたマーチ(現地名マイクラ)・ヴィッツ(同ヤリス)マツダも
広告が多い。中央のルノーの広告はシャンパングラスの新酒と車のニューモデルを掛け合わせた表現をしている。
僕が街を歩いていて、実感として多く目にした車は、プジョー・ルノー・そしてメルセデスベンツはCクラスを時々見かける
位で、とても少なくむしろスマートが非常に多く、ボディカラーも様々に元気よく走り回っていたのを思い出す。フィアット
は古いパンダが多く、新型はあまり目にしなかった。むしろ傘下におさめたアルファロメオの赤が颯爽と加速していく姿
を見かけた。一般的に北の工業都市に行くほど新しいモデルのきれいな車が目立ち地方は少しくたびれた車が多い。
Endo氏が見つけたFIATのムルティプラ
幅1875mmの6人乗り・タクシーにもあった
小型はピアジオ社(ベスパ)のスクーターが多いが、日本のヤマハ(マジェスティ)・スズキ(バーグマン)は250CCクラスで活躍する。
意外だった のは風防ガラスを装着したスクーターが多い事だった。日本ではおじさんが乗る仕様に見えるが、イタリアでは皆飛ばすの
で風の抵抗を受けないで、走る事が出来るからだろうと推測する。冬にはマントを掛けた様なひざを覆うカバーが取り付けられるという。
ミラノのデパートの洋服売り場に展示されたスクーターの写真。ライダーのファッションが分かりやすい。
スクーターは売り物ではなくライダーの洋服やバッグを販売していて姿はスノーボードファッションに近い。
ベスパの広告とローマの休日で有名なスペイン広場
そんな訳で 日本では大人が乗らないスクーターを、イタリアでは誰もが足代わりに気軽に楽しんで乗っていた。
Mercedes−Benz・BMW 等のドイツ製高級車は北の工業都市ミラノでは多く見かけるがローマや南の都市で
は あまり見かけない。イタリアでは北のミラノやトリノの人たちは南がイタリアの経済の足を引っ張っていると嘆く。
ミラノの都市生活者には富裕層も多く、大切な車は車庫(駐車用共同建物の中)に入れ、通勤に使う車はアパート
メ ン ト 前にパーキングチケットを購入して路上駐車する(住民が優先して停められる)通勤用は汚れを気にしない。
市内の交通は日本の様に地下鉄や私鉄が発達していないので、通勤は車に頼らざるを得ない。写真は路面電車。
以上 イタリアの自動車とスクーター事情をレポートしました
イタリア ワイン紀行
※現在同行した娘と編集作業中です。完成したら「葡萄の仲間」とリンクして
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2003